ブルータスの心臓 〜救いのない登場人物が多い

ブルータスの心臓―完全犯罪殺人リレー (光文社文庫)
東野 圭吾
光文社
売り上げランキング: 9659

例えば「容疑者Xの献身」もそうだけれど、殺人を犯した人物もそれを隠そうとした人も悪い人じゃなかった。
今回の主犯は悪いやつだったけれど、巻き込まれた主人公はもともとは権力が欲しかっただけで、殺人を犯すつもりはなかったはずだ。


そんな、なんとも救いようのない話で読んでいて寂しくなるところもあったけれど、サスペンスストーリーとしては、無名時代の東野圭吾さんの作品とはいえど、今のベストセラーになってもおかしくない作品と思う。大どんでん返しにつぐ大どんでん返しで息つく暇もない。これが東野さんの醍醐味。僕はとても好きだ。


ガリレオなどもそうだけれど、元技術者というだけあって、メーカの人物が登場してくる。その辺も僕的には人ごとじゃなくておもしろかった(笑)