徳川家康〈23 蕭風城の巻〉 (山岡荘八歴史文庫) 〜戦争を知らない若者が戦争に興味を持つのはいつも同じ?
徳川家康〈23 蕭風城の巻〉 (山岡荘八歴史文庫)
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太平の世の中が当たり前になり、戦争を知らない若者ばかりになり、逆に血気盛んに戦を叫びだした。なんだかちょうど現代の日本のようだと思いました。
そして、そうなったからこそ、徳川家はより安定を求め、豊臣家のわがままを鎮めようとする。それをわかって、対応すれば豊臣家も存続できただろうに、対決の意志と感じた。いよいよ冬の陣が始まろうとする、前夜という巻でした。
この巻では、真田幸村の戦争はなくならないという、考えが印象に残りました。幸村も戦争を望んでいるわけではない。
結局、戦争の悲惨さを知っている物だけが、幸せを望む。だから、戦争を知らない人が増え、平和しか知らないものが増えると、戦争をしたいものが増え、それを浄化(あまり良い言葉ではないけれど)する必要がある。それが戦争だと。
どうやって、平和が尊いものであるかを、戦争を体験せずしてわからせるか、永遠の課題かもしれません。