騙されるな


今日も銀座に住んでいるM氏と呑んできました。人生における大きな勉強をした彼はまたひとつ大きくなれることでしょう。

さて、年収が下がることが予想されることから、気になる本を手にしました。「年収300万円時代を生き抜く経済学」です。

まず結論から書きますが、この本は決して読まないでください。あほらしくて、涙がでます。東大卒の偉い人が書いた本ですが、あまりに当たり前すぎて、泣けてきます。そして、宗教がかった脅しは恐怖すら感じます。

まぁ論旨は理解できますし、問題ないと思うのですが、内容に矛盾がありすぎてつっこむのが面倒になるくらいです。

勝ち組はオーガニック製品を食することができ、負け組は農薬まみれの食事しか出来ず、平均寿命も今後変わってくるだろうと脅しながら、それでも吉野家の牛丼で満足できるでしょ?と問いかけるのです。つまり、負け組は狂牛病の牛肉を食べて満足しておけというのです。

節税対策も丁寧に説明してくれますが、「年収300万円〜」というタイトルなのに前提が600万円の人向け。

そのくせ、自分は年収300万円の人と違い、勝ち組で悪いがその100倍は稼いでいるが、ちっても勝ち組だと思っていないとのこと。一般的なサラリーマンが生涯2億円しか稼げないのだから、なんとも僕らは惨めになるしかない。

勝ち組なることは幸せでなく、年収100万円でも十分幸せになれると説いておきながら、妻にも働いてもらえという。

150円のペットボトルは買わずに自分で湧かせばタダに近いというが、経済学者がこんな計算で認められて良いのか?毎日こつこつ湧かしても5000円ほどの節約にしかならず、茶葉代等含めれば実際は飲み会1回を我慢した方がいいのではないかと思う。毎日水筒を持ち歩けない場合もあるだろうし、こんな子供だましな節約術をわざわざ書くなぁ。

諦めて、見分相応な生活を送れという。残業なんかしないで、もっと自分のために時間を使えという。ここにも矛盾があり、著者自身は好きな仕事なら深夜まで仕事をしても苦にならなかったと書いている。結局、なにが言いたいのか分からなくなってくる一冊でした。

ただし、小泉改革はお金のある人に有利な改革で、住みにくい世の中になっていることは間違いないらしいことは理解できました。まぁそれを僕らは望んでいるらしいので仕方ないですね。

自民党に入れたのは誰?僕の知り合いで自民に投票した人いないのですけど・・・